(台北中央社)歌手で俳優の林沖さんが7日、誤嚥(ごえん)性肺炎による敗血症性ショックと多臓器不全のため死去した。92歳だった。関係者が8日、林さんのフェイスブックで明らかにした。ミュージカルやドラマ、映画、音楽などで幅広く活躍した他、1960年代には日本でも活動した。
林さんは50年代に台湾語映画「黄帝子孫」に出演したのを皮切りに、5年で10本余りの映画に出演。61年に日本に留学し、日本大学芸術学部演劇学科に入学した。ミュージカル作品で通訳を務めたのをきっかけに日本でもミュージカルや映画、ドラマなどに相次いで出演。64年には日本コロムビアから「香港旅情」「東京の夜来香」でデビューした。後に香港に活動の場を移し、人気を博した。70年代には歌手活動に重心を置き、東南アジアや欧米でもステージに立った。
1987年以降は表舞台から徐々に退き、2000年に入ってからは心臓疾患やがんで闘病した。16年からは台湾や香港でコンサートを開いた他、自伝も発表。昨年2月には民間団体主催の慈善コンサートに出席していた。